1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
大友 一雄 国文学研究資料館, 史料館, 助教授 (30169007)
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Keywords | 葬送儀礼 / 将軍祭祀 / 寺社奉行 / 江戸幕府 |
Research Abstract |
近世の歴代将軍の葬送儀礼をはじめとする祭祀儀礼を国家的なものと据え、これに関わる諸問題を解決しようとするのが本研究の課題である。3か年計画の初年度にあたる今年度は、歴代将軍の葬送儀礼、および祭祀儀礼に伴う諸藩の動向について、次のような成果を上げることができた。 すなわち、(1)すでに活字化されている大名史料集からの関連記事の抽出。(2)マイクロフィルムなどによる現地文書の収集・整理。(3)収集情報の分析・論文執筆の3点である。 (1)では幕府正史「徳川実記」や秋田藩『国典類抄』、幕府の寺社奉行を務めた「大岡越前守忠相日記」などから関連記事を抽出した。 (2)では柳川・島原・富山・秋田などの諸藩を対象に、現地での古文書調査、マイクロフィルムによる撮影などを行った。また、幕府側の動向を確認するために所属機関である国文学研究資料館史料館が所蔵する大名土屋家文書、都立大学図書館所蔵の浜松水野家文書のうちから寺社奉行記録を調査した。さらに、本課題研究開始以前に入手した岡山藩池田家文書の内からもいくつかの関係文書を抜きだし、解読などを行った。他機関からのマイクロデュープなどもあり、マイクロフィルムによる収集巻数は24巻に達した。予算の関係からすべての紙焼は不可能であるが、さらにマイクロによる情報の収集に努めたい。 (3)に関しては、いまだ分析途中であるため、具体的な研究成果を上げることは出来なかったが、論点としては、寺社奉行など関係役職の機能追究、葬送儀礼の構成と大名・町方・百姓などの役割追究、葬送儀礼と新規将軍との関係追究などに留意し史料を検討中である。
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