1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610363
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
太田 幸男 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20014847)
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Keywords | 皇帝 / 王 / 侯 / 土地国有制 |
Research Abstract |
前年度にひき続き、候外廬の課題名にある書の翻訳作業を進めた。 同書の中の第三論文である「秦〓社会的研究」(55頁〜122頁)のうち、約三分の二程度の翻訳をおえた。 本年度は、秦漢時代を初期封建社会をとらえる候外廬氏の理論にもとづいて、土地の国有制(いわゆる国家的封建制)の下で、地主の土地占有がどのようにあらわれてきたかについて分析した第三節について検討し、漢初に封建された王・候の実態と、前漢中期以降に出現する、所謂「豪族」が国家権力との関係においてどのような存在であったかについて、主に実証面で種々に追求した。 また、同書第四節にのべられている漢代の年号と、当代の政治・社会状況について、種々史料にあたって検討した。 なお、翻訳作業にあたっては、飯尾秀幸(専修大学助教授)、岡田功(大宮市立大宮西高教諭)、下田誠(学芸大大学院生)の協力を得、共同作業として行っており、本年度も7〜8回の研究会をもち、訳語を逐一検討し、引用史料の原典にあたり、またマルクス・エンゲルスからの引用個所の原典にあたり、候外廬がこれらの史料、原典をどう理解することによって論理を形成したのかについても種々討論を重ねている。
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