1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610364
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古畑 徹 金沢大学, 文学部, 助教授 (80199439)
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Keywords | 唐会要 / 玉海 |
Research Abstract |
王薄『唐会要』は唐代史研究における最も基本的な史料の一つであるが、現存するテキストは成立当時の姿をそのまま伝えているわけではなく、伝世の過程で多くの誤脱と数巻の欠失を生じた。本研究は諸抄本の調査や他史料に引用された『唐会要』逸文の調査を通して、誤脱と欠失を可能な限り補い、本来の姿を復元することを目指すものである。 今年度は、3年間の研究の最後の年として、当初計画した三つの研究予定のうち、第3の伝存過程と現存テキストの位置づけは前年度までにその大半を明らかにし終えたので、第1の『唐会要』の通行本と諸抄本・四庫全書本との異同を全て明らかにすることと、第2の『玉海』『事物紀原』に引用された『唐会要』記事の一覧表を作成することを終了する予定だった。しかし両者ともあまりに大部なため、依然作業途中で、1年間では完成しきらなかった。それでも、第1のテキスト間の異同の問題については、終了した部分から順次発表する予定で、すでに研究成果の一部を「『唐会要』の靺鞨・渤海関係記事について」(仮題)という論文にまとめ、『朝鮮文化研究』第8号(2001年3月発行予定)に発表することが決まっている。第2の『玉海』所引の『唐会要』記事の一覧についても、来年度中には公表できる予定である。
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