1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 利章 神戸大学, 文学部, 教授 (30073357)
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Keywords | 重量馬 / 騎兵 / 封建制 |
Research Abstract |
本年度は、研究を進めて行くことと平行して、馬に関する資料を収集することに努めた.幸い歴史に関係するもの以外にも、広く資料を入手し、幅広く、しかも、基礎を大きく万全なる歴史馬前の準備が出来た。文献目録がそれを最もよく示している.研究のほうは、まだ結論を出す段階ではないが、おぼろけながら、方向が見えてきた.現生人数が出現した古くから、例えばフランスの洞窟に馬の絵が描かれているように、人数と古くから馬は付き合ってきた.それが交通手段後には農耕、また戦車を引く馬、また乗って戦う単馬として利用されてきた.本研究は、そのうち、特に馬に最も負担をかけるヨーロッパにおける騎士制度に焦点をあて、しかも馬自体を研究テーマに設定し、研究を進めている.ヨーロッパ中世の騎士は、騎士そのものの体重、かれの着用した武具、そしてかれが持つ刀剣ならびに、巨大な槍を合わせ、150hgrになることを考えれば、特別にそれに耐え得る馬を、創り上げることが必要であった.というのは、ヨーロッパ固有の馬は、ポニ-種でとうていこの重量に耐え、それなりに早く走ることが出来なかった.とすれば、その馬をどこかで調達する必要があった。当研究者のほぼ一応の結論は、ヨーロッパとアラブ世界との接面である.スペインならびにシシリ-・南イタリアにおいて、ヨーロッパ側が優秀な大きな馬をきわめて高額で購入し、それを種馬として、大きな馬へ、品種改良した結果、ヨーロッパに於いて、あのような騎士制度ひいては封健制度が成立しえたということである. 次年度で、それを活字化し世にその成果を問う予定.
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