1998 Fiscal Year Annual Research Report
光学的解析法による古代ガラスの加工法等に関する研究
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09610418
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Research Institution | NARA NATIONAL CULTURAL PROPERTIES RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
肥塚 隆保 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 遺物処理研究室長 (10099955)
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Keywords | 古代ガラス / カリガラス / ソーダ石灰ガラス / X線CT / 蛍光X線分析 / 管玉 |
Research Abstract |
(1) 古代ガラスの構造調査からガラスの加工方法を推定するため、X線透過撮影と画像強調処理法および、X線CTなどを使用して調査をおこなった結果、カリガラスの管玉で穿孔されたものが、駄坂舟隠9号墳(兵庫県)や寺ノ段2号墳(京都府)などから新たに発見された。カリガラスの管玉で穿孔されたものは北陸から山陰地方で多く発見されるが、九州地域からはこのようなカリガラスの管玉は発見されなかった。カリガラスの管玉の生産地域もおそらく北陸から山陰に存在していたものと推定された。鉛バリウムガラスの管玉の多くは溶融法によっているが、中には穿孔されたものも存在することから、北陸から山陰地方のどこかで加工された可能性もでてきた。 (2) 古代ガラスの材質の変遷をより明確にするため、東北から九州に至る出土ガラス、約400点について蛍光X線分析法によって調査すると同時に2部の資料は鉛同位体比測定をおこない、原料産地の推定をおこなった。このなかで、新たに混合アルカリガラス(古墳時代)が発見できた。化学組成から推定すると東南アジアから南アジアのガラスが伝えられた可能性が考えられた。 (3) 平安から鎌倉時代のカリウム鉛ガラスの原料産地を鉛同位体比法により推定したところ、中国産の原料と長崎県対州鉱山産のものに分かれた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.KOEZUKA,k.YAMASAKI: "Inrestigation of Some K_2o-PbO-SiO_2 Glasses Excavated in Japan" Proceedings of 18th International Congresson Glass. CD-Rom ICG287-BO3-OQ3 (1998)
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[Publications] 肥塚 隆保: "浜松市出土ガラス遺物の科学的調査" 宇藤坂古墳群(浜松市文化協会). 90-94 (1998)
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[Publications] 肥塚 隆保: "磯辺王塚古墳出土のガラス製品の自然科学的調査" 磯辺王塚古墳(豊橋市埋蔵文化財調査報告書). 43集. 103-114 (1998)