1997 Fiscal Year Annual Research Report
現代社会における言語行動の地域差・世代差についての研究
Project/Area Number |
09610429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
篠崎 晃一 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00206103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆 東北大学, 文学部, 助教授 (00161993)
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Keywords | 言語行動 / 挨拶 / 地域差 / 世代差 / 場面差 |
Research Abstract |
種々の挨拶行動、謝罪・謝礼行動、依頼・希望行動の3つのグループについて調査項目を選定するため、弘前市と東京周辺部で予備調査を実施した。この結果と本研究がスタートする前の試行調査の結果から、以下のような知見が得られた。 1.従来の地域差とは、地理的な隔たりに応じて認められる言葉の違いを指し、それは多くの場合、伝播論的菜要因によって生じると考えられてきた。今回の調査で得られた地域差も、多くは従来の地域差の概念で説明できるものと考えられる。しかし、言語行動のレベルの地域差ということになると、その地域の社会構造や都市化の程度の違いといった社会的要因にも注目せざるを得ない。すなわち、都市と農村といったような「社会的地域差」の方が、従来型の「地理的地域差」よりも大きく現れてくる可能性がありうる。 2.地域によっては元来挨拶の習慣がなく、学校教育等の影響によって、若年層から高年層へ浸透していったと思われる言動行動が多く認められる。 3.各場面における言語行動自体の有無、手振り身振りなどの非言語形式などにも地域差や世代差が存在する。 以上の知見をもとに、旧来の「地理的地域差」と新しい「社会的地域差」との関係、およびそれらと世代差との関連等について次年度以降の研究で掘り下げていく。
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Research Products
(2 results)