1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610478
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 光規 大阪大学, 言語文化部, 教授 (60034584)
|
Keywords | 中英語ロマンス / 中英語の表現 / 中英語の代名詞 / コーパス言語学 / コーパスのタグ |
Research Abstract |
この研究は、中英語韻文ロマンス作品をとり上げ、それらに特徴的な表現を、語彙、統語論、ディスコース、作品群の起源的素材の4つのレベルについて調査し、可能な場合にはコーパス言語学的方法を援用しながら、中世英国韻文ロマンスの表現の特質を調査しようとするものである。 本年度は、昨年度に引き続き、中世英国韻文ロマンスの代表的な作品について、このジャンルの作品に見られる“transposition“と呼ばれる構文(本来従属節の中に置かれるべき副詞句などが、節の外側、特に詩行の行頭に飛び出して、独特な表現効果をもつもの)の使用状況を調査するために、Havelok the Dane 他の作品について該当の個所をファイル上でマークアップする作業と試験的な分析作業を継続した。 本年度はまた、上記の作品について、代名詞(he)についてコーパス言語学的分析を試みた。このような問題の組織的な調査のためには、ファイル上でマークアップする必要があり、コーパスの自動アノテーション・プログラムの利用を種々試みたが、中英語韻文で実用に耐えるものは得られず、タグ付けは手作業に依らざるを得なかった。 更に、本年度はフィンランド国立トゥルク大学リスト・ヒルトゥネン教授他を訪問し、これまでの成果を含めた本研究計画全体のレビューを受けた。このような協力が発展し、平成10年11月に同大学と阪大言語文化部との間に学術交流協定を締結するに至った。また、トゥルク大学訪問の際、北欧五国英語英文学会に参加し、関係分野の多数の専門家と情報交換を行うことが出来た。
|
Research Products
(2 results)