2000 Fiscal Year Annual Research Report
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09610481
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
岩上 はる子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (40184858)
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Keywords | ブロンテ姉弟妹 / アングリア物語 / グラスタウン物語 / ブロンテ書簡 / エレン・ナッシー |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下のとおりである。 (1)平成12年5月には、立教大学で開催された日本英文学会第72回大会において「シャーロット・ブロンテ初期作品の語りの考察」と題して研究発表を行った。初期作品における作為的な語り手の造形とその意味を論じたもので、後の小説における語りの手法について考える手がかりを示した。 (2)監訳『未だ開かれざる書物の一葉-シャーロット・ブロンテ初期作品集II』(鷹書房弓プレス、2001年3月)の出版。この翻訳には表題作の他に「緑のこびと」が収録されており、いずれも本邦初訳である。1999年10月に出版された第1巻『秘密・呪い』に続くブロンテ初期作品集で、既に刊行されているみすず書房『ブロンテ全集』の第11巻『アングリア物語』(1997年)と合わせると、ブロンテ初期作品の大半の邦訳がそろい、今後のブロンテ研究に資するところ大である。 (3)分担訳『シャーロット・ブロンテと大好きなネル』(中岡洋・監訳、開文社、2000年10月)。シャーロットの生涯の親友であったエレン・ナッシーに関する本格的な研究書で、これまで未見の書簡も含まれ、伝記研究に寄与するところ大である。 (4)論文「ブロンテ初期作品に見る植民地的要素」『シャーロット・ブロンテ論』(中岡洋・編、開文社、校正中)に所収。ポスト・コロニアリズムの視点からブロンテ初期作品の中で終焉に位置づけられた二人の異邦人の意味づけを論じている。
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[Publications] 岩上はる子: "シャーロット・ブロンテ初期作品の語りの考察"滋賀大学教育学部紀要(人文科学・社会科学). 第50巻. 39-45 (2001)
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[Publications] (分担訳)岩上はる子: "シャーロット・ブロンテと大好きなネル"開文社. 478 (2000)
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[Publications] (監訳)岩上はる子: "未だ開かれざる書物の一葉-シャーロット・ブロンテ初期作品集II"鷹書房弓プレス. 254 (2001)
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[Publications] (分担執筆)岩上はる子: "シャーロット・ブロンテ論(担当論文名)ブロンテ初期作品に見る植民地的要素"開文社. 500 (2001)