1997 Fiscal Year Annual Research Report
日英語の調音可能性ハイエラーキと語学教育への応用研究
Project/Area Number |
09610488
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
村田 忠男 九州工業大学, 工学部, 教授 (80071653)
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Keywords | 調音可能性 / 日英 / 語学教育 / ハイエラーキ / 音声連鎖 |
Research Abstract |
従来のソノリティ・ハイエラーキを別の角度から補強できると思われる調音可能性のハイエラーキという筆者の主張する概念は、音韻論、音声学、心理言語学、さらにはそれらを総合した言語教育への波及効果があるものと予想している。音節構造、音声連鎖への制約や、音声変化、言い誤りの一要因となることが予想できるからである。 その裏付けをとるための基礎研究として、今年度は、基礎データの収集とその分析に力を注いできた。科学研究費を用いて、もう1セットの音声分析装置と周辺機器を購入し、それを使って、多くの音声データを解析しつつある。さらに有り難いことに、謝金を使ってアルバイトを雇い、現在までに、22人から音声データを収録するとともに、解析も行ってきた。愛用しているSound Scope 2 というアメリカ製の音声分析装置は、高度で精密な分析を可能とするが、個々の解析にはかなり手間取るのが実状で、本年度は、データ収集に明け暮れた感がある。 三修社から出版した「カプセル・ニュース英語を聴く」で、英語の自然な音声連鎖の特徴の解析にも、私の音声分析装置は威力を発揮している。こちらの教科書用に作成したデジタル録音のMDも今回の研究テーマに直接役立つように考えており、来年度は、その音声資料の解析も行う予定である。なぜ日本人の英語学習者には、冠詞や前置詞や助動詞などの機能語が聞き取りにくいのかを、明示的に示してくれるであろう。 今後は、調音可能性に関する分析を一層進展させるだけでなく、外国語教育への音声分析装置導入の具体的方法をも視点にいれて研究していきたい。
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Research Products
(1 results)