1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610501
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤間 啓之 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (60242301)
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Keywords | イデオロジー / ストア派 / トラシ / パスト / ロゴス / カバニス / 医学哲学 / タブロー |
Research Abstract |
フランス語の「イデオロジー」とは、もともと「観念の形成を跡づける学」という意味で、フランス革命後にイデオローグと呼ばれた哲学者、デステュット・ド・トラシが発明したものであった。この「イデオロジー」について、平成11年度は、その歴史的周辺から始めて、後世、外国への影響まで、広い視野から対象を様々に論ずることができた。まず、『「端初」論-大正・昭和期の文学思想における歴史感覚の創造的錯誤とイデオロジー』(1999)においては、日本の文学、哲学において、イデオローグがいかなる形で言及されたか、三木清、坂田太郎、中村雄二郎などを例に初めて論じた。つまり、中村雄二郎の言う、身体性を帯びた知である「パトロギー」を、三木清の言う「パトロギー」とは一線を画するものとして重視し、もしバトスとそれぞれ対立するアパティア(無感動)・ロゴス(言語的理性)が、どこか一瞬にせよ交差する地点があるとすれば、それはストア派とイデオロギーが交差する地点であろうと論じた。そしてこの交差がまさしく18世紀末から19世紀初頭にかけ、イデオローグとその周辺において見られたということから、『テレプレゼンスの哲学史-二つの世紀末を橋渡して』(1999)においては、知られざるイデオローグ、ヴォルネーの「廃墟」論を題材に、世紀末におけるストア的な世界空間の把握というテーマを論じた。18世紀の感覚論哲学が、カバニス、コンスタンらのイデオローグにおいてストア主義に接近した理由を考察した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 赤間啓之: "「端初」論-大正・昭和期の文学思想における歴史感覚の創造的錯誤"現代思想. 9. 94-110 (1999)
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[Publications] 赤間啓之: "デッサン論8-フロイトの著作中のデッサン(1)、動物恐怖とオートボイエーシス"武蔵野美術. 111. 98-104 (1999)
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[Publications] 赤間啓之: "デッサン論9-フロイトの著作中のデッサン(2)鳥たちの旅と転移"武蔵野美術. 112. 82-88 (1999)
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[Publications] 赤間啓之: "デッサン論10-終わりに-デッサンの最後の言葉"武蔵野美術. 113. 88-94 (1999)
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[Publications] 赤間啓之(分担): "テレプレゼンスの哲学史-二つの世紀末を橋渡して『移動する聖地-テレプレゼンスワールド』"NTT出版. 182 (1999)