1998 Fiscal Year Annual Research Report
世界諸言語における語順の地理的および系統的分布に関する研究
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09610529
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山本 秀樹 弘前大学, 人文学部, 助教授 (20200834)
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Keywords | 言語類型論 / 語順類型 / 整合的語順 / 再建 / 地理的分布 / 系統的分布 / 言語接触 / 語順変化 |
Research Abstract |
今年度は、まず、他大学で収集したり、購入した諸言語の記述書を基に、これまでの語順データの充実を図り、以前の約2,800言語のデータを2,900以上にまで拡大すると共に、世界全体の語順の系統別分布表を、昨年度購入したコンピュータを活用しつつ、完成させることができた。 また、これらのデータを基に、今年度は、特に世界諸言語における語順の地理的分布の歴史的変遷について考察し、次のような新しい知見が得られ、その成果を学会発表すると共に、学術誌に論文として掲載することができた。すなわち、現在の語順分布は、整合的VO型と(準)整合的OV型とが、それぞれ広大な言語圏を形成しつつ、地球上でほぼ同等の面積を占めており、これは、主として新石器時代以降に起こった大語族の拡散が一通り落ち着いてから、比較的安定した分布であった。しかしながら、この分布も、現在の言語および記録の残っている言語を基に、通時的に遡っていけば、VO型語順を持つ地域というのは、きわめて限られており、かつては、地球上の大部分の地域がSOV型の言語で占められていた可能性が最も高い。現在、広域を占めるVO型語順は、大部分、比較的近年になってから、大語族が拡散し始めた新石器時代以降に、しばしば語順の改新を伴いつつ、その拡散に従って広がってきたものと考えられる。 今後は、さらに資料を整えると共に、語順データ、系統別語順分布表、語順地図を十分に分析しつつ、今年度得られた知見を含めて、研究成果を論文にまとめていく予定である。
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Research Products
(1 results)