1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610539
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
荻野 綱男 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00111443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 晃一 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00206103)
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Keywords | 山梨方言 / 俚言 / 方言語彙 / 意味 / 変化 |
Research Abstract |
1997年7月の予備調査を踏まえて、9月に、山梨県甲府市および大泉村で高年層・中年層多数を対象に面接調査を実施した。調査項目は、山梨県の方言集である深沢泉著『甲州方言』から採用した。方言語彙を中心にして、『甲州方言』では意味記述が不十分なところなどもあきらかにするような調査形態にした。調査の結果、高年層は、多数の方言語彙を現在でも使用しているものの、中年層では方言使用がかなり少なくたっており、方言が使われなくなっていることが確認された。また、語彙の意味の変化が著しく、高年層と中年層で意味を違ってとらえている例も多数あった。これは、方言語彙の意味が次第に変化していることとともに、中年層において方言使用が少なくなったために意味が正確に意識できないことも関わっていると考えられる。 ただし、中には、ワニワニスルなど、昔ながらの方言語彙が今でも日常的に使われている例もあり、どういう語彙がそのように残るのかについては、今後の調査・研究が望まれる。 研究成果(方言語彙の使用程度・その意味記述)は、年度末に方言語彙集(稿)としてまとめられる。
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