1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610539
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
荻野 綱男 東京都立大学, 人文学部, 教授 (00111443)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 晃一 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00206103)
|
Keywords | 山梨方言 / 俚言 / 方言語彙 / 意味 / 変化 |
Research Abstract |
1997年7月の予備調査を踏まえて、9月に、山梨県早川町奈良田で高年層・中年層多数を対象に面接調査を実施した。調査項目は、奈良田の方言集に記録されていた「方言語彙」が中心である。 調査の結果、高年層は、多数の方言語彙を現在でも使用しているものの、中年層では方言使用がかなり少なくなっており、方言が使われなくなっていることが確認された。奈良田では、言語生活が共通語と方言の2重の言語によって営まれており、方言の消滅が着実に進行中である。若い人が集落にとどまることが少なく、高校くらいになると町外の高校に通うため、転出する例が多い。したがって、若い世代が存在せず、非常な高齢化社会が出現している。方言、またその周辺の各種地域文化の伝承が困難な状況にあり、今後、奈良田方言も絶滅の可能性が大きい。 山梨県各地の中学校に依頼して、中学生とその両親と祖父母を対象にしたアンケート調査も、富沢町、三珠町、白州町、牧丘町(三富村)の各地点で実施した。1391人からアンケートを回収した。前年度までの分とあわせて、山梨県内の地域差と年齢差の有様が明らかになりつつある。項目ごとに異なる様相を示しており、なくなりかけている俚言がある一方で、チョビチョビスルのように、今でも各地でよく使われる言い方もある。 アンケート調査は、データの整理を次年度まで継続する予定である。
|