1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610539
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
荻野 綱男 東京都立大学, 人文学部, 教授 (00111443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 晃一 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00206103)
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Keywords | 山梨方言 / 俚言 / 方言語彙 / 意味 / 変化 |
Research Abstract |
1999年9月に、山梨県道志村で高年層・中年層多数を対象に面接調査を実施した。調査項目は、「道志の方言・俗語集」に記録されていた「方言語彙」が中心である。 調査の結果、高年層は、多数の方言語彙を現在でも使用しているものの、中年層では方言使用がかなり少なくなっており、方言が使われなくなっていることが確認された。 また、村内の西部と東部で方言の地域差があることが確認された。地域差は地元の人々も意識している。意識しつつも、なくならないのは、西部と東部のそれぞれの自律的な集落のあり方とからんでいる。 全体的に、道志村では、言語生活が共通語と方言の2重の言語によって営まれており、方言の消滅が着実に進行中である。 山梨県各地の中学校に依頼して、中学生とその両親と祖父母を対象にしたアンケート調査も、大月市・韮崎市・甲府市・塩山市・上野原町の各地点で実施した。1307人からアンケートを回収した。前年度までの分とあわせて、山梨県内の地域差と年齢差の有様が明らかになりつつある。言語項目ごとに異なる分布の様相を示しており、なくなりかけている俚言がある一方で、チョビチョビスルのように、今でも各地でよく使われる言い方もある。 アンケート調査は、データの整理を次年度まで継続する予定である。
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