2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610539
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
荻野 綱男 東京都立大学, 人文学部, 教授 (00111443)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 晃一 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00206103)
|
Keywords | 山梨方言 / 俚言 / 方言語彙 / 意味 / 変化 |
Research Abstract |
今年度は、小淵沢町への補充調査を行うとともに、前年度までの山梨県内のアンケート調査に関する分析を行い、4年間にわたる調査結果全体に関する報告書の作成を行った。 補充面接調査は、アンケート調査の結果明らかになったことを地元の話者がどのように意識しているかを確認するためのものであった。 アンケート調査は、平成9年から平成11年に行ったが、そのデータ3717人分を一緒にして、すべての項目について集計し、総合的な分析を行った。 その結果、山梨県の方言変化について、東京の影響という点では、具体的に解明するには至らなかった。最近の新方言などでは、テレビなどのメディアの影響も含めて、確実に東京の影響があるものと考えていたが、地元の人々の意識では、東京の直接的な影響ではなく、言語表現の伝播は周りの友人からの影響で行われているという意識である。したがって東京の影響は、間接的な影響であると考えられる。東京から伝播したことは、言語表現の年齢差・地域差の分析でも明らかであるが、そうは意識されていないという結果であった。 伝統的な方言に関しては、周りの影響というよりも、山梨県内の独自の変化をたどるケースが多く、従来の方言変化のパターンが見られた。多くの項目では、中年層でかなりの衰退が見られるが、中学生でも使っている言い方があり、今後は、それぞれの項目がなぜ残存し、また消滅するかといった面からの検討が必要である。
|