1998 Fiscal Year Annual Research Report
高度情報化社会における「言葉」の理解の差異についての分析
Project/Area Number |
09610546
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
関本 英太郎 東北大学, 言語文化部, 教授 (60137883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
シモンズ ジェレミー 東北大学, 言語文化部, 助教授 (50261540)
生出 恭治 東北大学, 言語文化部, 教授 (20007230)
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Keywords | 脱中心 / 差異 / ハッカー / クラッカー / 文学イメージ / ラベル化 / Information Overspill |
Research Abstract |
平成10年度は、データ収集・ベース化を中心に進められた平成9年度の成果を踏まえ、ゼミでの討議や論文発表などを通して、それぞれのテーマの一層の発展・充実をはかり、最終的にそれぞれの成果をまとめ、報告書として印刷に付した。 20世紀建築デザインのメッセージ価値を探求した関本は、総体的にすでにその社会的機能を喪失した建築形態の現状を明らかにすると同じに、その限界を打破しようとする幾人かの建築家に焦点を当て、その意義を解明した。 研究協力者の山根は、インターネット社会に精通する者とそうでない者との間に生まれる顕著な情報処理格差に注目し、それがもたらす問題性や危険性を明らかにした。 本来中庸的な語彙自体が歴史的経過につれてイデオロギー的色彩を帯びる現象に注目した生出および研究協力者の相場は、OED20 on CDに付属する検索機能などを用い、いくつかの事例を科学的に厳密に収集・データベース化をはかり、その調査分析を実施し、課題の証明ならびに問題性を明らかにした。 広告の表記方法に注目した研究協力者の根津は、データベースをもとにとりわけ「漢字表記」の比率の高さを抽出し、その意義やイメージ価値を明らかにした。 シモンズは、インターネット社会がもたらした過度の情報をコントロールすることのできない「法」の限界ならびに現状を、さままざな事例によって明らかにするとともに、その危険性に警鐘を鳴らした。 以上、これら相互の最終的成果は、科研費報告書「高度情報化社会における『言葉』の理解の差異についての分析」にまとめられ、掲載された。
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[Publications] ジェレミー・シモンズ: "Information and Property in Dayly Life" 言語と文化(東北大学言語文化部). 9. 29-58 (1998)
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[Publications] ジェレミー・シモンズ: "The Disapplaring Author:Dematerialisation and Copy right" 言語と文化(東北大学言語文化部). 10. 1-27 (1998)
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[Publications] 相場徹,生出恭治: "インド学科教学論文データベースINBUSを用いた術語間関係の大きさの推定について" 情報処理学会研究報告. 98-CH-37-2. 7-14 (1998)