1999 Fiscal Year Annual Research Report
1930年代パリと外国人芸術家-「パリ神話」の変容と都市表象
Project/Area Number |
09610548
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今橋 映子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (20250996)
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Keywords | パリ神話 / 1930年代パリ / パリと外国人芸術家 / パリ写真 / ことばとイメージ / 都市表象 |
Research Abstract |
平成9年度より開始した本研究は、平成10年度に集大成して刊行した単著『パリ・貧困と街路の詩学--1930年代外国人芸術家たち』(都市出版、総計500ページ)によって、一応の成果を達成した。この著書は、「ナチズムと不況の時代」下、芸術的には不毛とされてきたこの時代に、パリに亡命した多くの外国人芸術家たちによって、驚くほど豊かで、また共通する都市表象が生み出されていたことを、文学、絵画、写真のジャンルを越境して解明したものである。 以上のような(平成九、十年度)研究を通して、次第に明らかになったことは、十九-二〇世紀の「パリ神話」の変容を考えるにあたって、<写真>というメディアについての研究が不可欠であるという事実である。十九世紀後半に、パリという都市自体に生まれた<写真>メディアは、都市表象そのものの形成に深く関与している。また十九-二〇世紀パリでは文学者と写真家のコラボレーションによる作品が数多く成功したという興味深い事例が散見されるのである。そこで最終年度(平成十一年)は「パリ表象をめぐる文学と写真」というさらに発展的テーマに取り組んで別記のような論文にまとめ、本研究の総括にすると同時に、さらに次の著書を公刊する準備段階へと進んでいる。
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[Publications] 今橋映子: "クロス・ジャンル研究の現在-比較芸術論の新たな地平"東大比較文学会『比較文學研究』. 74. 26-38 (1999)
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[Publications] 今橋映子: "都市のグラフィズム-ジェルメーヌ・クルル『メタル』(連載第1回)"ふらんす(白水社). 10月. 66-69 (1999)
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[Publications] 今橋映子: "ハンガリーの眼-『アンドレ・ケルテスの見たパリ』(連載第2回)"ふらんす(白水社). 11月. 66-69 (1999)
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[Publications] 今橋映子: "詩のあらわれる時-ブラッサイ『落書き』(連載第3回)"ふらんす(白水社). 12月. 66-69 (1999)
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[Publications] 今橋映子: "神話の縁に-ドアノー/サンドラール『パリ郊外』(連載第4回)"ふらんす(白水社). 1月. 66-69 (2000)
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[Publications] 今橋映子: "街路の驚異-ドアノー『ジャック・プレヴェール通り』(連載第5回)"ふらんす(白水社). 2月. 66-69 (2000)
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[Publications] 今橋映子: "ポリフォニーの魔術-イジス/プレヴェール『春の大舞踏会』(連載第6回)"ふらんす(白水社). 3月. 66-69 (2000)
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[Publications] 今橋映子: "神話の縁に-ドアノー/サンドラール『パリ郊外』"東京大学『超域文化科学』紀要. 5. (2000)