1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610552
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Takaoka National College |
Principal Investigator |
磯部 祐子 高岡短期大学, 産業情報学科, 助教授 (00161696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 彰 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90143841)
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Keywords | 煙粉 / 才子佳人小説 / 翻案 / 金雲翹伝 / 天花蔵主人 / 朝鮮 / ベトナム / 江戸時代 |
Research Abstract |
平成9年度は、当該研究の計画と方法に従い 1)煙粉小説の定義の再検討から開始した。すなわち、宋元話本における「煙粉」という用語が孫楷第、魯迅の使用を経て今日いかなる語義を内包しているかを分析した。ついで煙粉のうち、「才子佳人小説」に焦点を当て、 2)明代・清代のどのような才子佳人小説が、日本・ベトナム・韓国へ将来されたかについて版本調査を行った。 3)中でも、(1)「金雲翹伝」(別名、双奇夢、或いは双歓合)の日本国内における版本調査(2)「越南本金雲翹伝」の版本調査と翻案内容の検討(3)日本における江戸の翻案本「通俗金翹伝」の特徴、及び、滝沢馬琴の「風俗金魚伝」の翻案態度の検討を主に行い、現在、論文を執筆中である(研究代表者)。一方、4)煙粉小説の代表的作者の一人であった「天花蔵主人」とは誰か、朝鮮半島、日本への影響はいかがであったか。煙粉小説の出版を取り巻く社会を考える上で重要な課題であるとの認識から「天花蔵主人」の作品を中心とした日本・朝鮮・中国の出版の実体の解明にもつとめている(研究分担者)。この成果も平成10年度中には論文として上梓する予定である。
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