1998 Fiscal Year Final Research Report Summary
地方分権と法治国家の確立に貢献する自治体ネットワーク組織のあり方
Project/Area Number |
09620012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木佐 茂男 北海道大学, 法学部, 教授 (30122039)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Keywords | 自治体連合組織 / 地方分権 / 法治主義 / 自治体 / 地方政治 / 自治体ネットワーク |
Research Abstract |
国際的な規模でますます多様な政策課題が生ずる現実を前にして、国際規模の自治体連合組織はより効率的な運営を求めて合併を試み、同時に、世界地方自治憲章に向けた一大運動を展開しつつある。この憲章では、地方自治の司法的保障の重要性も重要な課題として成文化される。ところが、わが国の自治体は国際自治体連合(lULA)にすら加盟せず、理論的にも実践的にも国際的な貢献度は著しく低い。自治体が連合して社会の発展に寄与することについての意識はきわめて乏しい。 国内をみたとき、地方6団体は、自治体の連合組織としての実態を組織上も活動内容上もいまだ持っていない。いわゆる分権時代には自治体連合組織が加盟自治体に対して、従来の中央省庁が果たしてきた役割に代わってシンクタンク的機能、とりわけ法律面での援助を行うべきであるが、そのような発想も体制もない。しかし、都道府県レベル、あるいはそれより狭域のレベルでは、自治体間のネットワーク機能が意識され、次第に発展しつつある。例えば類似問題を抱えた自治体が相互協力による条例立案を試みたり、都道府県段階の町村会が法的コンサルタント機能を発揮する仕掛けを考案したり、統一的な法務研修体制を開発するなど、自治体間の利害を超えた調整機能の萌芽が見られる。国際的には、相当に後れているが、今後、分権後の地方自治の活性化と、法的行動様式の確立のために、自治体ネットワークの重要性がますます意識され、行動に移されなければならない。そのためには、改めて、先進諸外国の自治体連合組織が、各国の中で辿ってきた歴史と、現在の活動内容を十分に学ぶ必要がある。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 木佐茂男: "小規模自治体の分権対応"地方分権と小規模自治体. 67-79 (1998)
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[Publications] 木佐茂男: "国際動向から見た人事制度の課題-人"財"強化に向けて"公務研修. 184. 18-32 (1998)
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[Publications] 木佐茂男: "自治体における職員の法務感覚と組織体制づくり"地方自治職員研修. 434. 32-34 (1999)
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[Publications] 木佐茂男: "日本における地方分権の理念と到達点"ジュリスト. 1161. 64-70 (1999)
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[Publications] 木佐茂男: "分権時代の自治体職員像"広域行政. 95-148 (1999)
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[Publications] 木佐茂男: "ネセコ町情報公開条例"ジュリスト. 1165. 6-9 (1999)
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[Publications] 木佐茂男: "国・自治体紛争の司法統制"地方分権の本流へ. 258-269 (1999)
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[Publications] 木佐茂男: "規制緩和・地方分権と司法改革の問"法社会学. 52. (2000)
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[Publications] ライナー・ピッチャス(著)木佐茂男(訳): "ドイツ連邦共和国における公務員の養成の研修の現状とこれから"自治と政策. (2000)
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[Publications] 木佐茂男: "自治立法の理論と手法"ぎょうせい. 349 (1998)