1998 Fiscal Year Annual Research Report
「法の支配」復権をめざして-「法の支配」と「自由」-
Project/Area Number |
09620017
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阪本 昌成 広島大学, 法学部, 教授 (00033746)
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Keywords | 法の支配 / 立憲主義 / 権力分立 |
Research Abstract |
本研究「『法の支配』復権を目指して--『法の支配』と『自由』--」は、このサブタイトルが示すように、自由主義を再訪してみることを、ひとつの目的としている。自由主義の多義的であること、見方によっては、民主主義と対抗する概念であること、といった事柄は、1998年10月に出版した拙著『リベラリズム/デモクラシー』(有信堂、本文230頁)のかたちで公表した。また、同書は、「法の支配」の導入を目指した近代立憲主義にとってのモデルは、フランス人権宣言ではなく、アメリカ合衆国憲法であることも、論じた。さらに、佐藤幸治先生還暦記念論文集『現代国家と司法権』(青林書院、1998年)においては、「自由主義憲法学の課題」と題する論攷において、「自由」と「自由主義」の概念を分析した。 法の支配は、権力分立の思想とも密接に関連している。この点については、佐藤幸治=初宿正典-大石真編『憲法五十年の展望I』に収録されている、阪本昌成「議院内閣制における業務・行政・執政」論文で扱った。 さらに、「自由」を基調とする「基本的人権体系」を構築しようとして、拙著『憲法2 基本権クラシック』が、近日、有信堂から出版されることになっている。 以上の成果を集約するものとして、現在、『市場・自由・法の支配』と題する、書き下ろしの研究書を執筆中である。
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[Publications] 阪本昌成: "議院内閣制における業務・行政・執政" 憲法五十年の展望I. 224-272 (1998)
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[Publications] 阪本昌成: "リベラリズム/デモクラシー" (株)有信堂, 230 (1998)
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[Publications] 阪本昌成: "憲法2 基本権クラシック" (株)有信堂, 247頁 (1999)