1998 Fiscal Year Annual Research Report
国際紛争の平和的解決手段としての仲裁裁判の現代的意義
Project/Area Number |
09620025
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
島田 征夫 早稲田大学, 法学部, 教授 (70063732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 秀治 東北学院大学, 法学部, 助教授 (70275600)
平 覚 大阪市立大学, 法学部, 教授 (20163149)
長谷川 正国 福岡大学, 法学部, 教授 (80148858)
山田 中正 早稲田大学, 法学部, 教授 (60287927)
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Keywords | 国際紛争 / 平和的解決 / 仲裁裁判 / 国際裁判 / WTO(世界貿易機関) |
Research Abstract |
1998年度は、本研究のまとめの1年として各分担者のテーマの再確認と文献・資料の整理から始めて、具体的には各自が分担する年代別の特定の国際仲裁裁判の事例の分析とそこからみちびかれる論点を研究論文としてまとめる作業を行った。しかし、メンバーによっては、必ずしも作業が順調に進まず、研究論文の進捗状況に差がでてきたことは認めなければならない。 本研究は、メンバーが全国に散らばっていることから、本年も2回研究合宿を開催した。98年10月の福岡での研究合宿、99年2月の大阪での研究合宿がそれである。福岡では、平が「WTOの紛争処理機能」、大阪では、島田が「アラバマ号事件再論」と題する報告を行った。そのほか、各メンバーが上京したさい、早大において意見を交換する会合を随時持ったことも記しておきたい。 従来最も関心を持たれたのが、「司法裁判の仲裁化」「司法裁判による仲裁裁判の統制」などの論点であったが、この分野の作業に新しい傾向が見られることになった。それは、ごく最近の例で、WTOによる紛争処理方法が19世紀以来の国際裁判の歴史と発展に一石を投ずる観があり、メンバーの中には、このテーマを好んで選び本共同研究の成果の一部としてすでに発表している者もいるからである。 以上のように、本研究は、伝統的な19世紀における国際仲裁裁判の研究、20世紀に見られる司法裁判と仲裁裁判の関係に関する研究、最近のWTOを例とする新しい裁判形態の研究の3つのカテゴリーに分かれる。しかしながら、各分担者は本共同研究の趣旨である「仲裁裁判の現代的意義」の研究を念頭に置きつつ研究論文の作成にあたっている。
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