1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09620026
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Research Institution | SUZUKA INTERNATIONAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩本 誠吾 鈴鹿国際大学, 国際学部, 助教授 (50291787)
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Keywords | 対人地雷 / 国際人道法 / 特定通常兵器条約 / 改正地雷議定書 / 対人地雷禁止条約 / 盲目化レーザー兵器議定書 / 国際法 / 通常兵器 |
Research Abstract |
平成10年度の研究は、まず前年度に行なった通常兵器の中の地雷(特に対人地雷)の法規制の動向分析を研究論文としてまとめる作業を完了させた(研究発表参照)。その後、平成10年度の研究計画にある盲目化レーザー兵器の法規制の分析を行なった。 その分析対象は、主として特定通常兵器条約の再検討会議(1995年10月)で採択された「失明をもたらすレーザー兵器に関する議定書」 (1998年7月30日発効)である。1960年代に出現したレーザーは、1970年代から軍事的に利用され始めた。レーザーの指向性から測遠機や目標指示機は、軍事目標主義や人道主義からむしろ必要なものとされ、合法的である。他方、主目的が盲目化である兵器が、実戦配備の直前に特定通常兵器条約の追加議定書として禁止されたのである。 分析の結果、戦争の方法としての意図的盲目化が禁止されたと解釈するよりも、より限定された(歩兵の裸眼に対して失明をもたらすような意図的レーザー照射)禁止でしかないと解釈するのが妥当であると考える。 以上、通常兵器の中で近年問題となった地雷及びレーザー兵器の法規制を分析したが、共通した特徴として、国際人道法の法原則である「不必要な苦痛を与える兵器の禁止原則」の中に、以前では考慮されなかった紛争後の犠牲者の苦痛を法規制の主たる根拠として援用されていることである。
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