1998 Fiscal Year Annual Research Report
経営モニタリング・システムの根本的改革-非欧米型企業システムの開発-
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09620037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 淳二朗 九州大学, 法学部, 教授 (60079001)
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Keywords | 企業内中立機関 / 中立サポーター / 管理モデル / 所有と管理の分離 / 所有と経営の分離 / 経営者の責任浄化制度 / 従業員救済システム / 企業生理の法理 |
Research Abstract |
1 中立監査役構想を法改正なくしても生かせる方法として、専門家による中立サポーターシステムを取り入れることができることを明らかにした。 2 現実の企業に中立サポターシステムを導入したとき、どのようにコーポレート・ガバナンスの改善を図れるかを、監査役、経営者、弁護士、研究者とともに研究した。 3 主要な研究会は、トヨタ常勤監査役井上輝一、久保利英明弁護士、永野周志弁護士、加護野 忠男神戸大学経営学部教授をメンバーとした実践的監査機構研究会である。 4 この実践的監査機構研究会で、実効性の高い監査システムとはどのようなもので、どのようにして実現できるかを討議した。 5 肥後銀行、住友生命、日本タングステン、西日本プラント工業等の経営者、監査役とも個別に、あるいは共同で討議した。 6 これらの研究の成果は、九州生産性本部、九州監査業務研究会、オリココーポレーション全国顧問弁護士会議で、報告する機会を得、高い関心と共感を得た。 7 この研究成果は、別記の論文でも明らかにしている。 8 これらの研究を通じて、株式会社制度の特質を、「所有と経営の分離」だけでなく、「所有と管理の分離」というコンセプトでとらえるべきことが明確になった。 9 また、会社法は、企業病理の法理としてだけでなく、企業生理の法理として構成すべきことが明らかになった。 10 こうした研究の成果を踏まえて、平成11年度私法学会商法部会のシンポジュムで、新たなコーポレート・ガバナンス・システムのあり方を取り上げることになった。
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Research Products
(1 results)