1998 Fiscal Year Annual Research Report
労働基準法、労働者災害補償保険法の制定・施行に関する原史料の網羅的・逐条的分析
Project/Area Number |
09620044
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡辺 章 筑波大学, 社会科学系, 教授 (10014763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 道夫 独協大学, 法学部, 助教授 (40183868)
中窪 裕也 千葉大学, 法経学部, 教授 (90134436)
和田 肇 名古屋大学, 法学部, 教授 (30158703)
野田 進 九州大学, 法学部, 教授 (90144419)
岩村 正彦 東京大学, 法学部, 教授 (60125995)
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Keywords | 労働基準法 / 労働者災害補償保険法 / 労務法制審議会 / GHQ / 公聴会 / 労働基準法施行規則 / 労働者災害補償保険法施行規則 / 監督機構 |
Research Abstract |
平成10年度は、労働基準法の第1次草案から第13次草案までの間の起草作業に係る原史料を区分し、整理し、分析をした。すなわち、起草作業に係る原史料は、(1)連合国軍最高司令部(GHQ)と厚生省労政局労働保護課との折衝過程にかかわるもの、(2)第1期労務法制審議会(昭和21年7月22日〜同年8月8月7日)および第2期労務法制審議会(昭和11月1日〜同年12月24日)の審議にかかわるもの、(3)労使代表の意見を徴すべく行われた公聴会(昭和21年9月5日〜14日)の意見開陳および質疑応答にかかわるもの、(4)関係各界の意見(労働側意見、事業主側意見、自治体による地方労使代表の意見、その他個人・政党等の意見および関係各省庁の意見)資料の4つに大別することができることを確認し、整理、分析を行った。特に分析にあたっては、それぞれの作業段階で立法者意思が形成される過程を析出できるように、労働基準法の条文に沿って全史料の内容を再構成し検討を加えた。また、特にGHQ関係の史料に関しては、本研究の直接の対象である松本岩吉氏保存の文書にとどまらず国会図書館(憲法資料室)所蔵のもの、および占領期労働関係法令の研究に多大の貢献をされた東京経済大学竹前栄治教授所蔵の史料の提供も受け、いままで明らかにされてこなかった歴史的文書も加えて分析検討することができた。上記(1)、(2)、(3)および(4)に関し参加者の分担による研究解説を完了した。
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