1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09620050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kushiro Public University of Economics |
Principal Investigator |
鎌田 耕一 釧路公立大学, 経済学部, 教授 (30204605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 臨兵 釧路公立大学, 経済学部, 講師 (50274949)
小路 行彦 釧路公立大学, 経済学部, 助教授 (80171023)
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Keywords | 契約労働 / 労働者供給事業 / 労働者派遣事業 / アウトソーシング / 自営業者 / 下請負 / 職業紹介 |
Research Abstract |
1.請負労働の定義;請負労働は、1997年のILO第85回総会で採決されたILOの契約労働に関する条約・勧告案によれば、三つの形態に区分できる。すなわち、(1)就業者が雇用契約以外の契約(請負、委任)に基づきユーザー企業に単独で労務を供給し、かつ、就業者とユーザー企業との間に雇用関係類似の関係がある場合、(2)第三者(仲介者)が就業者をユーザー企業に提供し、ユーザー企業が就業者を使用する場合で、かつ、仲介者と就業者との間、ユーザー企業と就業者との間に雇用関係がないもの、(3)ユーザー企業が自己の計画に従って下請負人に業務処理を請け負わせ、下請負人の雇用する労働者を経営組織に組み入れ、この業務に必要な機械、設備、器材等を提供する場合である。 2.請負労働の具体例の調査;上記の定義をふまえて、人材派遣業、情報サービス産業、建設業、構内下請業等を調査し、具体例を調査した。定義(1)に関しては、傭車運転手、委託販売人、フリーランサー等の多くは専属的に特定のユーザー企業のもとで就業しているにもかかわらず、労基法上の労働者には該当せず、労災保険の適用がなく、通常の労働者と比較して劣悪な地位にある。定義(2)に関しては、その実質は労働者派遣事業であるが、仲介者と就業者との間に雇用関係がない場合(これを労働者派遣事業類似の事業という)が認められ、これが現行法では禁止されている労働者供給事業にあたるおそれがある。定義(3)については、現行ではアウトソーシングの一部(特に構内下請事業)が労働者派遣事業に組み入れられている。 3.今後の研究課題;請負労働の実態についてさらに調査をすすめ、その問題点を明らかにしながら、これを現行法のなかでいかに取り扱うべきかを検討する。とくに、定義(1)については労働者概念の見直し、定義(2)については労働者供給事業の定義と禁止政策の見直し、定義(3)について、労働者派遣事業と請負事業の区分基準の見直しである。
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Research Products
(2 results)