1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09620053
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斎野 彦弥 北海道大学, 法学部, 教授 (00162248)
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Keywords | 経済刑法 / 経済犯罪 / カルテル犯罪 / カルテル / 談合 / 独占禁止法 / 独禁法 / 域外適用 |
Research Abstract |
本年度は、アメリカ・ドイツ・イタリアの各国における、カルテル行為に対する刑事規制の実態について文献調査を中心に研究を行った。 まず、アメリカについては松下満雄教授主宰にかかる経済法研究会に出席し、2回の研究報告をおこなった。 その内容は1998年1月に出された、日本製紙等日本の製紙メーカーの日本国内でのカルテル行為がアメリカ市場向けになされたものとして、シャーマン法の域外適用を認めた連邦最高裁の判例の研究にががるものと、独占禁止法と知的財産法の規制の交錯に関するものであって、前者の内容については、判例評釈について、ジュリストに掲載予定であるほか、この判例の分析を通じて得られた、「効果理論」の日本法への適用可能性を論じた「情報の高度化と犯罪の『域外適用』について」が、北大法学部50周年記念論文集『情報・秩序・ネットワーク』(北大図書刊行会)に所収された。 また、アメリカにおける規制運用実態についてはユニバーシティ・オブ・ワシントンのアンダーソン教授並びにハーレーイ教授及び司法省・公正取引委員会の行政担当者から文書・インターネットを通じて有意義な地建を得た。 ドイツについては、主として東京大学法学部付置外国法文献センターなどで資料収集を行い、ドイツの判例とEUの独占禁止政策との関係について、調査を行った。 イタリアについては、現在シエナ大学経済法学部サンノート教授の協力の下、主としてインターネットを利用して、法制度の基礎資料の収集に努めたところである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 斎野彦弥: "日本製紙事件アメリカ連邦最高裁決定について" ジュリスト. (1999)
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[Publications] 斎野彦弥: "情報・秩序・ネットワーク" 北大図書刊行会, 450 (1999)