五五年体制下の政党間競争と国会運営の新制度論的研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09620059
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 川人 貞史 東北大学, 法学部, 教授 (10133688)
• Keywords: 議会 / 選挙 / 選挙制度 / 政党政治 / 国会運営 / 立法過程

Research Abstract

本年度における研究実績の概要は次の通りである.
1 55年体制における自社主導体制がどのようにして確立したかを見るために,国土計画委員会および建設委員会を取り上げ,1947年の第1回国会から1990年の解散直前の第116回国会までの期間における委員の就任状況および出席状況を調べてコンピュータ可読ファイルに入力させる作業を進めたが,本年度中に完成するまでに至っていない.
2 自民党政権における内閣閣僚の派閥均衡人事と年功序列人事の慣行の成立に関する研究を,英文で執筆し,米政治学会1998年次大会で報告した.
3 55年体制における立法過程がどのように形成されたかを分析するために,1950年代に活発に行われたがその後衰退した議員立法の変遷に注目し,第1回国会から第31回国会の期間における衆議院議員提出法案について,提出者の所属会派,各院における付託日,委員会議決,本会議議決,修正・否決の場合の回付,および衆議院再議決,法案成立の場合の公布日などを含めたコンピュータ分析用データファイルを作成した.また,それ以降についても入力作業を進めたが,本年度中に完成するまでに至っていない.
4 上記の議員立法データを活用して,予算を伴う議員立法が55年体制における与党の自民党からの提案が抑制されていく過程を,1955年の国会法改正過程における大蔵省や内閣法制局の議員立法制限規定に対する意見や,予算編成過程などと関連づけて分析を進め,口頭報告した.論文にまとめるよう進めている.
5 昨年度より継続して,社会党議員のキャリアパス分析のためのデータ作成に着手したが,まだ完成するまでに至っていない.

Research Products

• [Publications] 川人貞史: "日本政治学の課題と展望" レヴァイアサン. 133-165 (1998)
• [Publications] KAWATO,SADAFUMI: "Review of Party System Change" Journal of Politics. 60・3. 891-893 (1998)
• [Publications] 川人貞史: "政治改革をめぐって" レヴァイアサン. 23. 170-177 (1998)