1997 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の東南アジア政策の形成-「地域外交」の模索-
Project/Area Number |
09620060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
波多野 澄雄 筑波大学, 社会科学系, 教授 (00208521)
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Keywords | 東南アジア / 日本外交 / アジア |
Research Abstract |
初年度にあたる97年度は、以下の3点について資料収集と分析を行った。(1)第2次大戦中から戦後初期の東南アジアをめぐる秩序形成と日本の対応に関する資料。(2)講和条約前後から1950年代にかけての日本の東南アジア政策。(3)ベトナム戦争の本格化(1965年)までの日本の東南アジア政策とアジアの「地域主義」との関連。 (1)に関しては、主にOSS/State Department,Japan and Its Occupied Territories Durind World War II (Microfilm) およびPostwar Japan,Korea,and Southeast Asia (Microfilm) の両資料を分析した。日本側資料は外務省外交史料館所蔵の戦後公開記録のうち、1945-46年にかけての外務懇談会およびアジア政策関係調書類を分析した。(2)に関しては外務省公開記録のうち、吉田総理の東南アジア訪問関係(1954年)、コロンボプラン参加問題(1954年)、岡崎外相の東南アジア訪問(1953年)、(1)については2論文(「戦後日本のアジア外交」および「戦時外交と戦後構想」)に一部の成果を利用し、(2)については「アジアアフリカ会議と日本」として論文を作成中である。 (3)については外務省公開記録のうち、アジア・アフリカ会議関係(1955年)およびアジア・アフリカ会議関係および一般案件中の東南アジア情勢(1953-65/第13回公開文書)に関する現地公館の報告電報・調査類の一部を分析した。とくに第1回アジア・アフリカ会議について「地域主義」に関する有益な情報が得られた。その成果の一部は論文「戦後日本のアジア外交」に取り入れた。
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