1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09620070
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉田 修 広島大学, 法学部, 教授 (60231693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 聖一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70274024)
小柏 葉子 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30224091)
森邊 成一 広島大学, 法学部, 助教授 (50210183)
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Keywords | 日米安保体制 / アジア太平洋 / 日米安全保障条約 / 日本外交 / 国際政治 |
Research Abstract |
最終年度である今年度は、初年度である昨年度に行った研究会をふまえ、各分担者による個別研究を中心にすすめた。昨年度の4回にわたる研究会と、分担者による個別研究の結果得られた知見は、次のようなものであった。すなわち、日米安全保障条約の成立時と今日では、日本とアジア太平洋諸国との関係は大きく変化し、安定的なものになったが、それは必ずしも同条約の存在そのものによってもたらされたものではなく、アメリカを中心とした当該地域全体の、総合的な安保、政治、経済上の関係の緊密化が、もたらしたものである。従って、「日米安保体制」とは、国際政治上は、日米関係を越えた、そうした広い文脈で理解されるべきものであろう。 こうした理解をふまえ、さらに今年度に新たに収集した資料も用いて、各研究分担者は、それぞれ日本外交、アジア諸国の外交、太平洋諸国の外交について、新しい視点から再構成した研究成果をあげつつある。さらに、広島大学平和科学研究センターのご厚意により、同センターとの共催で、昨年度に引き続き、第5回目の研究会を2月22日に行った。この研究会では、本研究の対象領域中の重要な国家ながら、昨年度の研究会で専門家の招聘がかなわなかったインドネシアについて、名古屋大学大学院国際開発研究科の木村宏恒教授を講師に招き、「日米安保体制と東南アジア」というテーマで活発な討論を行うことができた。この研究会は、研究分担者の個別研究をさらに発展させる契機になった。また、この研究会の記録も研究成果報告書に掲載する。これらの事情のため、報告書の完成は、新年度にずれ込むことになる。
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