1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09630015
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
成田 淳司 青山学院大学, 経済学部, 助教授 (00133695)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天尾 久夫 作新学院大学, 経営学部, 講師 (40275772)
永田 雅啓 埼玉大学, 教養学部, 教授 (50261871)
|
Keywords | 為替レート / 実質為替レート / 貿易財・非貿易財 / 金融政策 / 規制緩和 / 内外価格差 |
Research Abstract |
われわれは、つぎの三つの研究を行った。 (1) 貿易財産業、非貿易貿易財産業の生産性格差と実質為替レートに関する研究 日米間の貿易財産業、非貿易財産業の生産性格差に着目し、実質為替レートの動きを分析した。 (2) 日本・韓国の金融政策と為替レート 90年代に入って、日本と韓国のマネーサプライの伸び率の間に逆相関が見られることを明らかにし、そのメカニズムを解明した。すなわち、これは次のように考えられる。 為替をドルにリンクさせてきた韓国にとって、日本が円高(円安)で輸出総量の伸びが落ちる(増える)とき、日本に競合する製品の輸出量が増え(減り)景気が好転(悪化)する。90年代に入り資本移動の自由度が増した韓国にとって、マクロ経済の安定のためには金融引き締め(緩和)政策を行わなければならないためだと考えられる。 (3) 規制緩和の内外価格差へのマクロ的影響 規制緩和が、どの程度日本と米国の内外価格差を縮小させるかについて分析を行った。機械類など狭義の貿易財に対する非貿易財の相対価格は、建設、不動産関係、運輸等の上昇度が高い反面、金融・保険などは相対比が趨勢的に縮小してきている。そこで、日本の規制緩和が米国並みに進んだとしたときの内外価格差への影響を測るために、いくつかの仮定をおいて定量分析を試みた。分析結果から見ると、内外価格差への規制緩和のマクロ的効果は日米の内外価格差の説明要因としては、それほど大きくない。
|