1998 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア諸国の経済成長に与える対外経済政策の効果の研究
Project/Area Number |
09630016
|
Research Institution | TAKUSHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉野 文雄 拓殖大学, 付置研究所, 助教授 (90220706)
|
Research Abstract |
東南アジア緒国の経済成長に与える対外経済政策の効果の研究 2年度にわたった研究は、平成9年7月に生じたいわゆるアジア経済危機の影響を受け、その態様が変わった。アジア危機までの研究の経過は経済理論と東南アジアの経済実態の両面にまたがるものであったが、それ以後は実態の変化がすさまじく、理論的に追いつかなくなった。理論的な観点からの研究は国際通貨基金をはじめとして、多くの研究者を巻き込み、その成果が最近になって発表されつつある。本研究においては、平成9年度までに一応の統計資料等を収集し、その分析が平成10年度に行われた。しかし、外生性テストの結果は好ましいものではなかった。具体的には、第一に、関税や外資優遇策のような対外経済政策が貿易や海外直接投資に影響を与えるかどうか、第二に、貿易や海外直接投資が経済成長率に影響を与えるかどうかについて検証を試みた。対象はインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイの4カ国であり、期間は1973年から96年までである。その結果は各国ごとに異なるが、第一の因果関係に関しては叙述的に因果関係を否定できないことが明らかにしたが、第二の因果関係に関しては、グレンジャーの外生性テストを実施したが、有意な結果は得られなかった。その原因は、合計額のみを用い、貿易相手、投資相手ごとにテストを行わなかったことにある。また、投資については年次データしか存在せず、標本数が少ないことも問題である。これらについては、今後とも研究を続けていく所存である。 研究の一応の成果は、平成10年8月にインドネシア科学院において開催されたインドネシア経済学研究集会において、報告した。また、国内においても、平成10年10月に関東学院大学において開催された国際経済学会において、報告した「グローバリズムの中のASEAN」で一部を紹介した。
|
Research Products
(2 results)