1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09630026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高橋 一 一橋大学, 経済学研究科, 教授 (70154838)
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Keywords | Termstructure / Discret Model / Ito formulg |
Research Abstract |
平成9年度においては研究計画書に述べたように、正規分布の分散(標準偏差σ)の検定において最適な逐次的ベイズ解をバックワードインダクションの手法を用いて数値的に求めた。具体的にはH0:σ>をH1:σ<に対して検定する逐次決定方式を考える。誤った決定に対する損失をk|σ-1|で定義するときのベイズ解をバックワードインダクションで求めた。ここでは理論計算と同時に数値計算も行った。更にこの結果をチャーノフ・ペトカにより求められた平均のベイズ検定で近似を図ってみた。数値的な結果は必ずしも良くなかったが、離散時間問題を連続時間問題で近似する際に用いられるホ-ガンの定理を本研究に適用、即ちガンマ分布に応用したところかなり良い精度の近似が得られる模様である。今年度の成果としては(1)分散のベイズ的逐次検定を正確に求めたこと、(2)そのブラウン運動近似を求めたことの2点が大きなものである。原理的には(1)が完成した段階で本問題には完全な答えが与えられたことになる。しかし実用的な観点からは(2)を完成させることが肝要である。さて、本年度の研究の中で連続性補正と並び分散の事後分布の正規近似の精度をいかに改良するかがもう一つの課題として浮かび上がってきた。これに対しては、エッジワ-ス型の近似とノミナルな有意水準に注目する近似と二通りが考えられており来年度に向けての課題となっている。
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