1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09630026
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高橋 一 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70154838)
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Keywords | 逐次分析 / ベイズ解 / 連続時間モデル / 分析の検定 |
Research Abstract |
本研究は正規分布の分散の大きさに関する最適な逐次的ベイズ検定をブラウン運動のドリフトの検定に関する最適ベイズ解で近似することから始まった。一般に最適な逐次的ベイズ解はバックワードインダクションにより、数値解の形で与えることは可能であるが解析的に解くことは困難である(Chernoff and Takahashi,1999)。そこで、この様な近似を考えることのメリットは全てのブラウン運動のドリフト検定問題が一つの規範的な(Canonical)問題に帰着できることにある。このような理由で本研究では規範的なブラウン運動のドリフトの検定問題で分散問題を近似するときの精度についての検討を加えてきた。その結果、中心極限定理のみに基づくナイーブな方法では十分な近似の精度が得られないことが多くの場合、数値的に示された。そこで、これまで分散検定のための統計量に対する、エッジワース展開等に基づく近似を試みているが以下に述べる連続時間モデルによる近似の精度も含め、数値的に満足出来る結果は残念ながら未だ得られていない。本研究では同時に離散時間確率過程を連続時間確率過程で近似するときの誤差の評価と修正項の導出を考察している。上記問題に於ける修正項は自由度1のカイ二乗分布のランダム・ウォークに対する修正項となりHogan(1986,Ann.Statist.)の結果を用い修正項の計算を行った。この問題に関して、現在エッジワース展開との関係を考察中である。本研究の数理ファイナンスへの応用として、マーケットに於ける株価収益率の分散の推定(予測)がある。その重要性についてはTakahashi(2000,Asian-Pacific Financial Markets)に詳しく述べてある。また、より直接的な連続時間近似の問題としてはSquare root curved boundaryを持つノックアウトオプションの価格決定問題も現在進行中である。その一部は共同研究者の博士論文の一部として既に発表されているMorimoto(1999,Ph.D.Thesis Boston U.)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.TAKAHASHI: "A note on interaction between Markets"Asia-Pacific Financial Markets. 7. (2000)
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[Publications] H.TAKAHASHI: "On the discrete time and continuous states models"Hitotsubashi Journal of Economics. 38. 125-137 (1997)
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[Publications] 高橋 一: "経済学とファイナンスのための数学"新世社. 223 (1999)