1997 Fiscal Year Annual Research Report
若年労働者の失業率増加の原因分析-日米比較でみる技術進歩とスキルのミスマッチ
Project/Area Number |
09630048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
石井 久子 高崎経済大学, 経済学部, 講師 (50285061)
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Keywords | 失業 / 若年労働者 / 技術進歩 |
Research Abstract |
失業率は最悪の水準を更新し、雇用情勢の悪化が心配されている。景気循環的要因と構造的要因による失業が増加しているからだ。その一方で、自発的な離職も増加している。本来、この種類の離職は景気回復期に増えるのが一般的なのだが、景気停滞が深刻になりつつある現在、上昇の傾向にある。若年層の転職志向によるものだ。しかしながら、企業が求めている人材との間にギャップがあり、潜在的失業予備軍になる可能性もある。技術進歩に起因する労働需要の変化に、スキルがミスマッチしているからであろう。今後、金融および建設業界等において雇用調整が行われるであろうから、失業率はさらに高くなることが予測される。本研究は若年労働者の失業を目的としているが、昨今の雇用情勢の変化にともない、リストラの対象になりやすい中高年労働者も分析の対象に含めることにする。 本年度において、文献・資料・データの収集はほぼ終了した。失業先進国である欧米の文献を大いに参考にしたい。米国や英国がどのようにして失業率を減少させたか、また依然として失業率が高いフランスは何故そうなのかを中心に文献購読をすすめている。来年度は、労働と資本の代替の弾性値を計測し、技術進歩によるスキルのミスマッチの度合いを分析することにする。日本経済が構造的大変化をむかえているさなか、21世紀にむけての人材育成を考察して、本研究の結語としたい。
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[Publications] 石井久子: "日本的雇用慣行の変化-1983年から1996年の推移でみる勤続効果の実証的研究-" 高崎経済大学論集. 40巻1・2合併号. 159-174 (1997)
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[Publications] 神代和欣編著 石井久子: "労働経済論" 八千代出版, 355 (1997)