1998 Fiscal Year Annual Research Report
情報化の企業に対する影響の研究:電子メール利用に関する調査を通して
Project/Area Number |
09630053
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
岡本 義行 法政大学, 社会学部, 教授 (50105847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 誠 横浜市立大学, 商学部, 助教授 (90275016)
杉本 伸 武蔵大学, 経済学部, 助教授 (90262138)
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Keywords | 電子メール / インターネット / イントラネット / 情報共有 / コミュニケーション / 情報化 |
Research Abstract |
情報化が企業や産業に与える影響を、今年度は電子メール利用の具体的事例を調査することで明らかにしたいと考えた。昨年度実施したアンケート調査をより詳細に分析することによって、興味ある事例30社ほどを選択し、電子メール利用がどのような影響を与えているか調査した。 企業内での電子メール利用の環境が大きく変化しつつある。イ冫ターネットのますますの普及とともに、イントラネットを導入する企業は増加しつつある。これによって、情報ツールの利用によるコミュニケーションと情報共有という観点からは、企業の社内と社外との境界はほとんどなくなってしまった。この点では企業組織が否応なく分権化する傾向がみられるが、同時に集権化にも利用できる可能性もある。企業経営の裁量の余地は拡大すると考えられる。 さらに、これまでフェース・ツー・フェースでおこなわれてきた重要な情報伝達や意志決定が電子メールを通してなされるケースも増加しているようである。これは人事管理や組織運営の形態を変化させざるをえないかもしれない。また、例えば、会議における意志決定も事前に相互の所有する情報や考え方を情報ネットワークを通して共有しておき、会議は最終決定だけする儀式の場になりつつある。こうした意味で経営の効率化は進みつつあるが、インフォーマルなコミュニケーションと情報共有を重要な手段としてきた日本企業で、社内の職務内容、人材育成、組織構造、そして人間関係などを新しい環境に適合化できていないようにみえる。 電子メールを始めとするツールの普及によって、日本人と日本社会のコミュニケーションの手法が変質しつつあるのかもしれない。
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Research Products
(1 results)