2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09630061
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鵜飼 康東 関西大学, 総合情報学部, 教授 (70098101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 真治 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (80254449)
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Keywords | 銀行 / 情報システム投資 / パネルデータ分析 |
Research Abstract |
われわれは、情報システム投資が銀行の市場価値の増加にどの程度貢献しているのかを分析するために、面接および郵送アンケートにより得られた企業レベルデータを使用して、パネル分析を行った。ただし、一連のアンケート調査から、1995年、1996年、および1998年の3年間の銀行業データを用いた。この結果、他の資産を制御した後に、ハードウェアとソフトウェアを合計して推計すれば、銀行の1円のコンピュータ資本が少なくとも10円の市場価値と関連づけられることが判明した。われわれのパネル分析の結論は、金融技術革命に関する現代日本の通説を覆すものである。すなわち、第1に、コンピュータのハードウェアとソフトウェアの投資が銀行の市場価値に及ぼす正の影響はさほど大きくはない。その数値は米国製造業における効果と大差はない。したがって、情報技術革命に業種による格差は見られない。第2に、かつて米国のマクロ経済学者が主張したようにコンピュータ投資が銀行の利潤や生産性に及ぼす影響が非常に小さいわけではない。したがって、日本の銀行では「生産性の逆説」は生じてはいない。第3に、米国の経営学者を中心とするコンピュータ投資の効果の計測結果は過大評価である。われわれの研究のように、コンピュータ投資総額にソフトウェア資産を算入して推計すれば、日米の情報技術革命の効果に大差はないと結論づけることができる。したがって、日本金融業の設備投資は情報技術革命に決して遅れをとってはいない。
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Research Products
(2 results)