1997 Fiscal Year Annual Research Report
日本における資産市場とマクロ経済活動の相互依存関係
Project/Area Number |
09630091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小川 英治 一橋大学, 商学部, 助教授 (80185503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽森 茂之 神戸大学, 経済学部, 助教授
浅子 和美 一橋大学, 経済研究所, 教授
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Keywords | 消費に基づく資本資産価格モデル / 配当に基づく資本資産価格モデル / 機関投資家 / 株価変動 / マルチファクターモデル / 株式のリスクプレミアム / 対外証券投資 |
Research Abstract |
平成9年度においては、本研究の実証分析を行うために、C-CAPMの理論モデルの検討を行うとともに、分析の対象となる経済変数について予備的分析を行った。羽森がこれまでに行ってきた消費に基づく資本資産価格モデル(C-CAPM)に機関投資家を含む金融機関の投資行動を導入することによって、C-CAPMを拡張した。また、小川は、機関投資家の配当の期待効果最大化についての理論モデルが検討した。さらに、金融機関一般の行動を取り込めるようにこの理論モデルを拡張し、そして、実証分析を行うことも考慮に入れて、金融機関一般の行動を取り込んだ形でC-CAPMを拡張しつつある。また、浅子は、土地・住宅などの資産市場のC-CAPMへの導入を検討している。 羽森は、論文「株価変動のクロスセクション分析」において、マルチファクターモデルを用いて株式のリスクプレミアムを説明した。Campbell(1993、1996)の研究に基づき、資産のリターンのクロスセクションのパターンを説明するファクターが、マーケットポートフォリオの収益率と、将来のマーケットリターンに関するイノベーションの二つから構成されることを示した。また、小川・羽森は、未発表論文「生命保険会社の対外証券投資における構造変化」において、C-CAPMの拡張モデルである配当に基づく資本資産価格モデルを利用して、代表的機関投資家である生命保険会社の近年の対外証券投資行動を説明した。
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