1997 Fiscal Year Annual Research Report
高集中化流通経路でのトレード・マーケティング戦略の日英比較研究
Project/Area Number |
09630103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
伊藤 一 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (10241415)
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Keywords | 小売バイヤー / 比較流通 / 信頼性 / 日英比較 / トレードマーケティング / リレーションシップ |
Research Abstract |
文献検索では“バイヤーと供給業者間の関係性がDelistingと関連している"(英国調査G.Davies,1995)。さらに“関係性の長さ、バイヤーの年齢、コンタクトの頻度が供給業者へのバイヤーの態度に影響している"とする調査結果が出ていた(豪州調査G.Davies&A.Treadgold,1997)。 本調査では、ロンドン日系小売企業へのパイロット調査をおこなった。調査目的は英国豪州調査方法が日本で利用可能性であるかを確認するためのものである。特に、日本型購買行動と欧米型購買行動の違いを考察した。これらは主に商取引慣行の違いからくる購買形態の違いであるといえよう。調査対象はロンドン日系小売店。調査方法はアンケート調査とインタビュー調査である。結果、日本型購買行動は(1)返品制により在庫処分。(2)地域需要を重視した分権的購買体制。(3)少ないバイヤー数、属人的な購買行動。(4)製販関係では継続的取引で協調的関係が顕著であった。一方、英国では(1)完全買い取り制の基、在庫品は夏冬のセールで処分し、購買活動は収益に密接に関連する。(2)中央集権的購買体制。(3)多くのバイヤー、組織的(相互監視的)購買行動。(4)小規模供給業者に対して強いパワー関係を小売業者は有し敵対的関係となっている。 これら調査結果を基に概念モデルを開発した。まず「先行変数」としては、バイヤーの年齢、経験年数、リレーションシップの長さ(製品、販売員)、コンタクトの回数、相互依存性が想定された。次に「関連性への対応」は情緒的感情と認知的思考を想定した。最後に信頼性形成が重要であると考え、信頼性を販売員、供給業者、製品に分類した。これがDelistingに関連することになる。以上のパイロット調査の結果と新たな概念モデルから計画どおり、次年度調査を実施する予定である。上記分析結果はHajime Itoh(1998)で公表した。
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Research Products
(1 results)