1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09630107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
近藤 勝直 流通科学大学, 情報学部, 教授 (70026300)
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Keywords | 交通需要分析 / 交通行動 |
Research Abstract |
本研究では交通需要推計および交通需要分析の最近の研究動向を整理しつつ,今後のありうべき研究方向を提案的に展望した.この間の社会的潮流は,より具体的には21世紀に向かっての一層の高度情報化,高齢化,人口減少(少子化)であり,従来型の交通需要にとってはアゲンストの風向きであり,すでにいくつかの将来予測では鉄道旅客需要の伸びは明らかにマイナスとなっている.そのため,交流人口の増大や余暇時間の増加を背景として需要を支えて行かねばならず,その意味で交通業におけるマーケティング行為(需要創造)がより重要になるであろうと結論する.そこでは高度情報化や高齢化を逆風としてだけではなく味方にも転換するする発想が求められる.そして,地球環境問題への関心の高まりと交通需要管理(自動車利用抑制)の進展は都市公共交通にとって新しい利用層を受け入れることを意味するとの認識が必要である. 具体的な研究内容としては,従来のいわゆる「重厚長大型」のパーソントリップ調査にもとづく交通需要分析や交通需要推計に代わる,あるいはそれを補完する形での,個人や世帯の交通行動をよりミクロなレベルで把握できる手法としての非集計型のモデル構築を前提にして,加えるにパネル型の経時的交通行動分析手法をより一層精錬化すると同時に実用化レベルへと変身させることである.今年度は以下の5つの視点から従来の研究のレビューと最新動向について整理した. 1.交通需要とは何か(ここでは本源需要vs派生需要について考察した) 2.クルマとは何か(公共交通vs私的交通と言う視点で特質を整理した) 3.従来の需要予測方法論の長所と短所(新しい方法論の開発の必要性と方向性について議論した) 4.時間をめぐる環境変化と時間空間での交通行動およびTime Use分析(時間利用分析の重要性) 5.1日/1週間/1年/ライフサイクル(時間軸での分析の必要性)
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Research Products
(2 results)