1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09630107
|
Research Institution | Ryustu-Kagaku University |
Principal Investigator |
近藤 勝直 流通科学大学, 情報学部, 教授 (70026300)
|
Keywords | 交通需要分析 / 交通行動 |
Research Abstract |
本研究では交通需要推計および交通需要分析の最近の研究動向を整理しつつ,今後のありうべき研究方向を以下の2点に絞って提案的に展望した. 1. 高度情報社会における交通需用:従来,交通と情報とのあいだには「補完」 「競合」 「相乗」の3つの関係があるといわれてきた.ここでは,これらの関係をさらに細かく精査し,新しい関係の発見に努めた.また,流通・交通・通信の3者間の関係についても考察し,それぞれが競合しながらも協調できる可能性があることを指摘した.それぞれが市場を奪い合うことなく,連携によって新しい市場開発もありうることを示した.ただ,交通政策の重要な目的となってきた環境対策面からは自動車交通への金銭的チャージが,技術革新の支援もあって現実的になりつつあり,市民の反応についてもシミュレーション分析した. 2.時間をめくる環境変化と時間空間における交通行動およびTimeUse分析:勤務時間の短縮化および弾力化を背景として多様な勤務形態が顕在化しつつある.また,日常生活においても余暇時間の増大や各種時間サービス(時間節約型および時間消費型)の普及,さらに学校の週休2日制の普及,これらの細かい変化を記述し,交通との関係を精査する必要がある.ここでは,それを「時間」に着目して,時間利用という視点からアンケートデータをベースに因果関係の分析を試みた.同時にそれらの時間的変化はもちろん各種の動的な変動過程を形成していることに鑑み,甲府買物パネルデータ等の長期的な経時的データにより動的な土俵(世帯のライフサイクルおよび流通産業の環境変化に対応)で分析し,その知見を集約した.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 近藤勝直: "交通需要管理と交通需要予測手法開発の動向" 流通科学大学論集. 6-1. 115-125 (1997)
-
[Publications] 近藤勝直: "環境に配慮した都市高速道路料金:試論" 流通科学大学論集. 7-2. 30-44 (1999)
-
[Publications] 近藤勝直: "交通・通信・流通の競合と協調" 流通科学大学10周年記念論文集. 49-58 (1999)
-
[Publications] 近藤勝直 ほか2名: "甲府買物パネルデータを用いた休日行動の分析" 土木計画学研究・論文集. 15. 499-507 (1998)
-
[Publications] 近藤勝直 ほか2名: "多時点パネルデータの非観測異質性を考慮した買物行動モデル" 都市計画学会論文集. 33. 163-168 (1998)