1998 Fiscal Year Annual Research Report
企業経営における成功要因に関する研究-脱成熟化のための新規事業創造と組織革新
Project/Area Number |
09630108
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Research Institution | Fukushima University Faculty of Economics |
Principal Investigator |
安西 幹夫 福島大学, 経済学部, 教授 (60202777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 孝 早稲田大学, 商学部, 助教授 (50216090)
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Keywords | 成功要因 / 脱成熟化 / 新規事業創造 |
Research Abstract |
今年度は,平成9年度に実施した「脱成熟化のための新規事業創造と組織革新」に関するアンケートの調査結果を分析するとともに,成熟化産業のひとつである自動車産業に焦点を当て,アセンブラー企業のみならず部品企業を含めて訪問によるヒアリング調査を実施した。また,これらと並行して福島県内の中小企業を対象としたアンケート調査及びヒアリング調査を行い,調査対象となった県内中小企業がどのような経営状況におかれているかを把握するとともに,問題状況をモデル化して上でその解決のための方向を探ることにした。 まず,全国の上場企業(東証1・2部、店頭)を対象としたアンケート調査の集計・分析に関しては,主成分分析として,各企業のデータから,対象企業が成長のために重視している因子特性を抽出した。その結果,技術志向の要因と販売志向の要因を抽出,それぞれの志向性が「強い」か「弱い」かで,対象企業を4つのグループ(クラスタ)に分類,次に,これらの1〜4までのクラスタについて,さまざまな質問項目の回答結果との相関を分析した。分析結果の詳細については,いずれ論文の中で発表する予定であるが,対象企業の多くが技術志向とみなされる要因を重視しており,総じてマーケティングの側面が今後の課題であるといえる。これに関しては,幾人かの研究者が,事業のライフサイクルが成熟期に至るとマネジメント機能が重視されるべきであると指摘しているところであるが,今回の調査結果はそれらの主張を支持するものといえる。また,アンケート調査の中で,資金よりも製品開発を行うマネジメント上に問題を抱えている企業が多いという結果は,今後われわれが何を研究していかなければならないのかを示唆している。 自動車企業については,市場の成熟化に関わる問題状況をより具体的にモデル化し,とくにトップ企業であるトヨタ自動車の脱成熟化戦略を分析した。
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