1998 Fiscal Year Annual Research Report
商品ファンドのリスクとリターンに関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
09630116
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
榊原 茂樹 神戸大学, 経営学部, 教授 (10030719)
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Keywords | 商品ファンド / マネージド・フューチャーズ / 商品投資顧問業者 / 公募先物ファンド / 私募コモディティ・プール / シャープ比率 |
Research Abstract |
株式市場の低迷とは対照的に、マネージド・フューチャーズ(商品ファンド)が次第に投資家の間で注目を浴びるようになってきた。既に販売実績のある商社やリース会社に加えて、証券・銀行もこのビジネスに参入してきている。 では、マネージド・フューチャーズは、果たして魅力的な投資対象だろうか。本研究は、モダン・ポートフォリオ理論のパラダイムを使って、(1)マネージド・フューチャーズのリスク・リターン特性、(2)マネージド・フューチャーズだけに投資(stand-alone investment)した場合のパフォーマンス、(3)マネージド・フューチャーズを伝統的な株式および/ないし債券ボートフォリオに組み入れることの経済的効果を、アメリカのマネージド・フューチャーズを分析した研究を手懸りとして、討究したものである。 上記の3つの問題に対する解答は、マネージド・フューチャーズの3つのタイプ--商品投資顧問業者(CTA)、私募コモディティ・プール、公募先物ファンド--のどれを研究対象とするか、および、サンプル期間の時期と長さに依存している。したがって、得られた結論はマネージド・フューチャーズに有利なものと不利なものが併存しているが、大胆に要約すれば、次のようになろう。 (1) マネージド・フューチャーズの投資成果は、概ねハイリスク・ハイリターン型であるが、ハイリスク・ローリターンの場合もある。 (2) マネージド・フューチャーズの単独の投資対象としての魅力度をシャープ比率で測定すると、概ね、株式や債券に比べて劣っている。 (3) マネージド・フューチャーズを株式や債券のポートフォリオに組み入れると、それを組み入れない場合と比較して、効率的フロンティアはより効率的となり、また、シャープ比率は、公募先物ファンドの場合を除いて、大幅に改善される。
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