1999 Fiscal Year Annual Research Report
IAS/US-GAAPへの適応をめぐる日独上場企業の会計行動に関する研究
Project/Area Number |
09630129
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木下 勝一 新潟大学, 経済学部, 教授 (40018643)
|
Keywords | IAS / US-GAAP / IAS / US-GAAP適応 / 商法 / 会計国際化 / 会計基準の設定 / 会計規制 / ドイツ会計基準委員会 |
Research Abstract |
平成11年度は、日本とドイツの会計制度改革の現状とその展望についての研究をおこない、そこから選られた知見について、以下の点に要約することができる。 (1)日本企業は1977年以降、アメリカのSEC(証券取引委員会)基準によって財務報告を行う場合に、国内基準の免責が認められてきたのに対し、ドイツでこのような免責が認められたのは1998年になってからである。この点で、日本とドイツの財務報告の国際化対応において、日本の方がはやかった。しかし、会計ビックバンという現代的な課題に対する法的な会計基準形成の取り組みにおいては、ドイツの方が日本よりもすばやい対応を見せた。 (2)日本では、商法、証券取引法、税法のトライアングル体制のもとで、証券取引法関連の企業会計審議会が会計ビックバンに対応した新しい会計基準(連結会計、金融商品会計、税効果会計、退職給付会計、キャッシュフロー計算書、セグメント情報)を設定しているが、商法改正にいたっておらないため、トライアングル体制の不安定性を増大させている。これに対し、ドイツは、商法改正を行い、上記のような現代の新しい会計基準を受け入れるための免責条項を新たに設け、国際化対応を果たしている。 これらの論点を分析的に明らかにしたうえで、日本とドイツの上場企業の財務報告の実務傾向を事例研究した。
|
-
[Publications] 木下 勝一: "ドイツの商法会計制度とIAS/US-GAAP適応条項"JICPAジャーナル(日本公認会計士協会). 10巻6号. 45-51 (1999)
-
[Publications] 木下 勝一: "市場重視型の会計規制へのドイツ会計の対応視点"産業経理. 58巻4号. 27-34 (1999)
-
[Publications] 佐藤 博明: "ドイツ会計の新展開"森山書店. 233 (1999)
-
[Publications] 加藤盛弘: "将来事象会計"森山書店. 222 (2000)