1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09630136
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
國村 道雄 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (70089952)
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Keywords | 阪神大震災 / ディスクロージャー / 適時開示 / 株価分析 / 伝染効果 |
Research Abstract |
本研究では、上場企業による阪神大震災の災害状況の適時開示情報等が株式市場でどのように評価されたかを分析する。阪神大震災に対する株式市場の反応は早かった。これに対し損害額の適時開示は時間的に相当遅れ、またその内容は投資家の判断材料としては不十分との見方があった。本研究では、まず阪神大震災後の株価下落を一般的に分析し、次に、その下落を適時開示との関連で分析する。後者が主要テーマである。平成10年度は9年度の分析を継続し、適時開示情報の整理、モデルに合わせた検証データの設定を引き続き行った。業種データ、一株当たり損害額データ、及び有価証券報告書の損害情報の入手、加工を継続した。 10年度は、開示時期と株価変動の関係に関する分析が中心である。適時開示の早いケースと遅いケースに分けて適時性の分析をするとともに、最初の開示と2度目以降の開示に分けてインパクトの比較分析をした。また、最初の一週間の下落率と開示時の反応との関係を調べた。さらに、大阪証券取引所で適時開示した企業と大阪証券取引所の記者クラブで会見・資料配付をしたが適時開示しなかった企業に分けて分析した。 研究成果の一部をまとめた論文「阪神大震災における適時開示と株式市場の調整」は査読誌「証券経済学会年報」(第33号)に受理され、掲載された。また、研究成果の一部を、平成10年7月20日にSingaporeで開催された1998 Asian Pacific Risk and Insurance Conferenceで報告した.さらに10月27日にHawaiiで開催されたTenth Asian-Pacific Conference on International Accounting Issues で報告した。 平成11年は、最近銀行の連鎖倒産で注目されている伝染効果など新たな視点の分析を追加する予定である.
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Research Products
(1 results)