1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09630137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山本 浩二 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (20166797)
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Keywords | 原価企画 / ABC / ABM / 活動基準原価計算 / 間接費の配賦 / コストドライバー |
Research Abstract |
本研究では、製品開発の源流段階で原価を低減しようとする戦略的なコストマネジメントである原価企画活動の中で、間接費の管理がどのように取り扱われているか、また、間接費の製品別配賦計算と管理にABC/ABM(活動基準原価計算・管理)の思考が取り入れられているかどうかを調査し、業種や製品戦略の違いなどが与える影響を考慮して、原価企画とABC/ABMの統合を研究することを目的としている。 本年度は、質問票調査のための知見を明確にするため、パイロット調査の意味で、電機、事務機、精密機器を中心とした企業数社に対して面接聞き取り調査を先行して実施した。その結果、一部の企業ではあるが、製品機種別のライフサイクル全体にわたる採算性を確認するために、研究開発費をはじめ、共通部門の費用をできるだけ製品別に捉えようとして細かな配賦をしている企業があることが確認できた。また、ABCを実施することで業務プロセスの改善に取り組んでいる企業の実務や、さらに、財務会計上の原価計算と管理会計上の原価計算の使い分けを明確に考えて間接費の計算をしている企業があることが確認できた。ただ、より細かな配賦とはいえ、スタッフ部門の間接費はコストドライバーとしてマン・アワ-(時間)を配賦基準にするなど、間接費管理を原価企画と統合するという意味での取り組みについて確認することは、現段階では十分には行えていない。そのため、平成10年度には、さらに調査対象企業を広げて面接調査を実施して、間接費管理についての企業における認識を調査し続ける予定である。
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