1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640011
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉藤 毅 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (70201506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 将人 東京都立大学, 理学部, 助教授 (40211221)
斉藤 秀司 東京工業大学, 理学部, 教授 (50153804)
織田 孝幸 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10109415)
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Keywords | Hilbert 保型形式 / Langlands 対応 / Galois 表現 / 志村 曲線 / p進Hodge理論 / エチールコホモロジー / Stiefel-Whitney類 / 導手 |
Research Abstract |
今年度は昨年度に得たHilbert保型形式にともなうp進表現のp進Hodge理論についての結果を論文に書いた.論文は完成までには至らなかったが,あと少しで完成の予定である.得られている結果は次のとおりである:総実代数体F上のHilbert保型形式fを考える.fに伴うFの絶対Galois群の2次元l進表現を考え,それをlを割るFの有限素点vでの分解群への制限する.p進Hodge理論によってこれは定めるWeil-Deligne群の表現を定める.一方,fはGL_2(A_F)の保型表現を定め,そのv成分はGL_2(F_V)の既約admissible表現である.この表現と上のWeil-Deligne群の表現が局所Langlands対応によって対応するというのが結果である。またF=Qの場合は,ふつうの保型形式であるが,これについてmonodromy-weight予想が成り立つことをもう1つの論文にまとめた。 他にも次のような研究を行い成果があった.体K上の偶数次元の代数多様体Xに対し,そのl進cohomologyの2次Stiefel-Whitney類が定義体Kの2次のGalois cohomologyH^2(K,Z/2Z)の元として定義される.この類とde Rham cohomologyのHasse-Witt類の間の関係を予想として定式化し,それを次のいくつかの場合に証明することができた.1.体KがQの代数閉包を含む場合.2.KがRの場合.3.Kが局所体でXがよい還元をもつ場合.4.Xが超曲面で{2,d}=0の場合. 局所体上の多様体にたいし,その導手公式がBlochによって予想されている.多様体の次元が偶数のときに,この予想が2を法とすれば正しいことが示せた.証明には,以前のl進cohomologyの行列式についての結果と微分加群の外積の導来関手についての結果を用いる.
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