1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 俊幸 名古屋工業大学, 工学部・生産システム工学科, 助教授 (70162154)
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Keywords | 乱流 / 確率分布関数 / 並列計算 |
Research Abstract |
1.乱流によって輸送されるスカラー場の統計性,特に距離r離れた2点間のスカラー場の差分δT(r)≡T(x+re_x)-T(X)の確率密度関数P(δT(r))について,直接数値計算により得られた場のデータを用いて解析を行った.その結果,P(δT(r))はδT(r)を止めたときの拡散項の条件付き平均値H(δT(r))≡<∇^2δT(r)|δT(r)>とスカラー場の散逸率の条件付き平均値G(δT(r))≡<|∇δT(r)|^2|δT(r)>により特長づけられることがわかった.特にP(δT(r))そのものではなくP(s)G(s)=exp(-∫^3_0(H(s′)/G(s′))ds′)により,分布関数が見通しよく整理できる事がわかった. 2.1次元の外力のあるBurgers乱流場の速度差w(r)=u(x+r)-u(x)の確率密度関数について解析を行なった.その結果,w(r)>0ではP(w)∝exp(-cw^3)という形で急速に減少する.一方w(r)<0ではまずP(w)〜|w|^<-3>というべきで減少し,さらにP(w)〜|w|^<-a>,0<a<2というかたちをとり,その後さらに指数的に減少することがわかった.写像関数による近似理論を用いて,この分布関数の振る舞いをある程度記述することができた. 3.3次元乱流および2次元乱流の直接シミュレーションを並列計算機で行なうために,これまでのベクトル計算機用のプログラムを書き換えた.現在,2次元ではNECのSX4用に,3次元ではFujitsuのVPP500に合うように作ってある.現在すでに基本的な部分は書き換えが終了し,データが取れ始めている.しかし,さらに高速化と効率をあげるために現在調整中である.これまでに計算できた最大の格子点数は2次元ではN=4096^2,3次元ではN=512^3である. 4.Navier-Stokes乱流のより単純化したモデルを構成した.このモデルでは,系の自由度のおおきさを調節することにより,一方では乱流の統計性を示し,一方ではKolmogorov1941の理論(Gaussianに近い)を示す.これを数値的に積分し,各種の統計的性質を調べた.その結果自由度が大きくなると,次第に揺らぎの幅が小さくなり,その一方で高波数側へのエネルギー輸送が平均として大きくなることが確認された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshiyuki Gotoh: "Energy spectrum in the inertial and dissipation ramge of two dimensional steady turbulence" Phy. Rev. E. 3(to appear). (1998)
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[Publications] Takahashi et. al.: "Conditional averages and Probability Density Functions on the Passive scalar Field" J. Phy. Soc. Japan. 3(to appear). (1998)