2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640278
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山本 野人 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30210545)
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Keywords | 精度保証付き計算法 / 数値的検証法 / 有限要素法 / 誤差評価 / 丸め誤差 |
Research Abstract |
今年度は精度保証付き計算の応用を広げる方向の研究を主体として活動を行なった。ひとつは関数のノルム計算や行列固有値の計算に精度保証付き計算法を適用することでどのような知見が得られるかを調べる研究であり、もうひとつは、有限要素法の近似能力に関する研究である。 また共同研究としては逆問題への応用およびRayleigh-Benard対流の定常解分岐への応用が挙げられる。 関数ノルム・行列固有値などの基本量の計算で得られた知見として、丸め誤差に関して従来あまり知られていない現象を観察した。関数を展開する基底の次元数や行列の次数が増加するに従って、計算結果に丸めの影響が強くなることはよく知られている。通常は計算結果の挙動を観察することによって丸めの影響の度合を推定するのであるが、今回見い出した例では、次数を増やしていくに連れ計算結果は改良されているように見えながら、ある次数を越えたとたんに計算が破綻する。これが丸めの影響を原因とするものかどうかを確かめるために精度保証付き計算を利用した。その結果、計算が破綻するよりもだいぶ以前の段階ですでに丸めの蓄積が起こっていることが観察された。浮動小数点演算のもとでは丸めが相殺されて破綻に至らなかったと考えられる。相殺のバランスが崩れた瞬間に計算の破綻が起こるのであろう。精度保証付き計算によってこのような事情が理解できるということは興味深い。 有限要素法の誤差に関しての応用は、すでに昨年度以前から誤差評価定数の精度保証付き計算の研究を進めてきた。今年度は少し方向を変えて、ひとつの有限要素に対する誤差評価ではなく、メッシュ全体の持つ近似能力の評価を試みた。これは関数ノルムの比を算定する作業を通して、ある一般固有値問題を解くことに帰着される。この変換作業を簡便に行なうために固有値問題と相性の良いスペクトル法を用いる精度保証付き計算を採用した。2次元矩形領域において、三角形一次のユニフォームメッシュに対し計算を行なったところ、理論的に得られる誤差評価よりも優れた近似能力を持つことが観察された。また、次数の増大に伴って理論値に近付いていくことも見られた。学会・研究集会での発表に対する反応から、特定の条件のもとで非一様メッシュを用いる場合に対しての結果に興味をもたれることが多いので、今後この方向の研究を進めていきたいと考えている。 以上の結果をドイツで行なわれた国際学会で口頭発表した。題目は次の通りである。 Nobito Yamamoto : "Verified Computation for PDE with Spectral Methods", 9th GAMM-IMACS International Symposium on Scientific Computing, Computer Arithmetic, and Validated Numerics(SCAN 2000)jointly International Conference on Interval Methods in Science and Engineering, September 18-22,2000,Karisruhe, Germany.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Minamoto,T.,Yamamoto,N.,Nakao,M.T.: "Numerical verification method for solutions of perturbed Gelfarnd equation"Methods and Applications of Analysis. 7・1. 251-262 (2000)
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[Publications] Yamamoto,N.: "A simple method for error bounds of eigenrilues of symmetric matrices"Linear Algebra and its Applications.
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[Publications] Nakao,M.T.,Yamamoto,N.: "A guaranteed bound of the optimal constant in the error estimations for linear triangular element"Computing Supplementurn.
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[Publications] Nakao,M.T, Yamamoto,N.: "A guaranteed bound of the optimal constrant in the error estimitions for linear triangular element Part II: Details"the scan2000 special proceedings, Springer Vienna.