1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640305
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
仁木 滉 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (30068879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 博之 岡山理科大学, 工学部, 講師 (60264115)
榊原 道夫 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (70215614)
澤見 英男 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (70098581)
岩崎 義光 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (70278901)
岡本 直孝 岡山理科大学, 工学部, 教授 (00068909)
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Keywords | 数値解析 / 反復法 / 前処理 / 誤差解析 |
Research Abstract |
研究代表者を中心として,7名の研究分担者が課題名の研究を行なった結果,次に列挙する研究業績(学術論文8編)を得た.今年度は,我々の研究組織が開発した種々の前処理反復法を再検討し,それらの長所を生かした2段階前処理法を開発した. 前処理法の実行で生ずる行列と行列の積による乗算回数がO(n^3)となる最大の難点を巧妙なアルゴリズムで解決した.すなわち,前処理演算は行列の対角項のみ実行し,非対角項の積は反復計算実行中に行なう方法である.その結果,前処理乗算量はO(n^2)に減少した.一方,反復計算での乗算量は増加するが,反復回数が大幅に減少する事で.増加量は償却された. この新しい手法を一次反応を伴なう移流拡散方程式を境界要素法で離散したモデルに適用した結果,従来最も反復回数が少ない方法として知られているBiCG-stab法と比較して約1/4のCPU・タイムで解が得られた.ちなみに,BiCG-stabは解くべき問題によっては収束しない場合がある事が報告されている.これらの成果を日本応用数理学会の例会で報告して大きた反響があった.そのために,京都大学数理解析研究所での短期共同研究集会“数値計算による前処理の研究"で特別招待講演を代表者仁木が行なった.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] E.Ishiwata: "New Criteria for Generalized Diagonally Dominant Matrices" Intern.J.Computer Math.69. 391-396 (1998)
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[Publications] B.Li: "An Iterative Criterion for H-matrices" Linear Algebra Appl.271. 179-190 (1998)
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[Publications] 平野博之: "Lamgevin方程式を用いたブラウン拡散の数値解析" 日本応用数理学会論文誌. 8. 275-286 (1998)
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[Publications] M.Sakakihara: "Iterative Estimation of Perron Root and Generalized Diagonally Dominance" Information(accepted). (1999)
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[Publications] S.Kanno: "Adaptive acceleration of the Durand-Kerner method" IEICE Trans.on Fund.of Elect.,C.and C.Science. (印刷中). (1999)
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[Publications] Y.Iwasaki: "Algebraic and Geometrical Aspects on the Chinese Remainder Theorem" Information. 1[2]. 33-45 (1998)
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[Publications] 仁木 滉: "楽しい反復法" 共立出版株式会社, 144 (1998)