1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640307
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
吉田 春夫 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助教授 (70220663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 宏 国立天文台, 天文情報公開センター, 助手 (60155653)
谷川 清隆 国立天文台, 理論天文学研究系, 助教授 (80125210)
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Keywords | ハミルトン力学系 / 数値解法 / シンプレクティック |
Research Abstract |
N体問題に代表されるHamilton系 H=T(p)+V(q)を数値積分する最も原始的,かつ単純なスキームはオイラー法であるが,オイラー法では相空間の面積要素(symplectic2-form)が一般に保存されず t=0の(q,p)からt=tの(q',p')への変換が正準変換とはならない.そして,保存すべきエネルギー値の誤差がsecularに増大し,長時間の数値計算の結果の信頼性を失わせる.この事情は局所的な誤差を小さくするRunge-Kutta型の積分法,および従来の多段型の積分法においても同様である.シンプレクティック数値解決は(q,p)から(q',p')への変換が厳密に正準変換(シンプレクティック変換)となるように設計された積分法である.このシンプレクティック数値解法に関連して今年度以下の成果を得た. 無限自由度のHamilton系と考えられる非線形Schrodinger方程式を含む一連の偏微分方程式に対する(mixed variable)symplectic解法を開発した.1次の解決は「split-step擬Fourier法」として知られる既知のものである.高次の陽的解法も簡単に構成でき高速で高精度の数値計算を可能にしている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Yoshida: "A new-necessary condition for the integrability of Hamiltonian systems with a two dimensional homogeneous potential" Physica D. 128. 53-69 (1999)
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[Publications] 吉田春夫: "積分可能な同次式ポテンシァル系とSchwarzの3角形" 京都大学数理解析研究所講究録. 1070. 69-84 (1998)
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[Publications] 吉田春夫: "ハミルトン系の非可積分性の判定条件" 物性研究. 70. 499-508 (1998)
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[Publications] K.Tanikawa: "Oscillatory orbits in the planar three-body problem with epual masses" Celestial Mechanics and Dynamical Astronomy. 70. 167-180 (1998)